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名作文学いらっしゃいまし
日本の名作文学を楽しむブログです。                                                                                                                                    お江戸本と美術本のレビューも増殖中。
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(新潮文庫・2011.10)

大相撲初場所も終わり、新年気分もすべて終わったなあ、というところですが……。
「江戸帖」によると、旧暦では今日が1月1日なんですよ~!どうしよう?

さて、新年、最初の投稿です!
書評にも書きましたが、この本、昭和派にはやるせない内容でして……。
我が家には子供がいないので、歴史教科書がこんなことになっていようとは、つゆ知らず。
「え?これ別人?」「え?あの戦法はウソ?」「あ、ホントはいい人だったの?」
し、知りたくなかった……と思うことも。
夫に「あれもこれも、後からのでっちあげらしいよ」と教えたら、やや迷惑そうでした。
心の中の土台の石垣が一部、崩落したような気分とでも言うか。
正月早々、ふたりでしんみりしてしまいました。

以下、ビーケーワンに投稿した書評です。


 大和朝廷、士農工商、四民平等……慣れ親しんだことばが現在の歴史教科書からは消えているという。
変わりようがない過去に対する記述が、なぜ変化するのだろう?

 本書は、教科書編纂に直接携わった著者が、昭和47(1972)年と平成18(2006)年の中学生用教科書を比較し、記述の変化をまとめたもの。おおむね三十年で新説が認知されて教科書に反映されるということだ。
人類出現から日露戦争まで、時代順に36項目をあげて、記述の変化とその理由が詳しく説明される。
「この時代の背景と世界の動き」「同時代年表」等のコラムが織り込まれているので、理解しやすい。

 記述が変わった理由はさまざまだ。
吉野ヶ里遺跡、三内丸山遺跡など、新発見による時代観の変化は、ごくまっとうな学問の進歩であると言える。
「鎖国」と「日露戦争」の変化が興味深い。
欧米中心だった昭和時代までの価値観から、アジアへ関心が大きく動いた世界情勢の変化が、教科書の記述にダイレクトにつながっているのだ。
中国、朝鮮、琉球、アイヌ等へ貿易の門戸を開いていた江戸時代は、「鎖国」と呼べる状態ではなかった。
また「日露戦争」の記述には、他のアジア諸国に近代化、民族独立の動きをもたらし、日本人には大国意識と優越感を生んだ、という新たな内容が加わっているそうだ。

 ショックなのは一連の肖像画だ。
お馴染みの聖徳太子、源頼朝、足利尊氏、武田信玄……。
どれも削除されるか、「と伝えられる」の断定を避けた表現になっているという。
ビジュアルの影響は大きい。あのダンディーな頼朝像がなければ、平家や鎌倉幕府の印象もだいぶ違ったものになったのではないだろうか。

 文庫本280頁ほどの読みやすい一冊ながら、過去三十年ほどの学界の動向を一覧できる読み応えある内容だ。
個人的には教科書が「ですます調」になっていることが、一番の驚きだった。
歴史学は進歩著しいのだな、と感嘆する一方で、昭和派としては少々せつない読後感がある。

(ビーケーワン投稿 2012.01.13 837字)


最初にどーゆー経過で「よし、コレ、頼朝像ね」って決めたのよ?とクレームのひとつも言いたくなりますが、いろいろ複雑な事情があるみたいで……。
「コレ、明らかに違うでしょ」ってことになっても、その説を唱えてらっしゃるエライ大御所の先生がお隠れにならない限りは新説出せない、とか、ありそうですよね。おおむね、30年ですか……。
今の教科書も、これから先、変わる可能性大ってことですよね。

最初の方に、知りたくなかった……なんて、書いてしまいましたが、やっぱりこれはオトナとして知っておかないといけないコトでしょうね。
お子さんがいらっしゃる方は、ちょっと教科書をのぞいてみたら面白いかも。

逆に、平成派のヤング(←死語)はどう思うんでしょうね~?




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導在 あわい

Author:導在 あわい
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