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名作文学いらっしゃいまし
日本の名作文学を楽しむブログです。                                                                                                                                    お江戸本と美術本のレビューも増殖中。
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(山川出版社・2011.10)

寒い日が続きますね……。
明日は冬至です。ゆず湯で温まりましょう!(我が家は入浴剤で代用の予定…)

2011年も残りわずか。今年は、お江戸関連本をたくさん読みました~。
来年もきっと続きますね、このブームは。
この本も「江戸に学ぶ」がキーワードです。

以下、ビーケーワンに投稿した書評です。


 もし「長生きしたいか」と問われたら、どう答えよう?前向きな答えは、出にくいような……。不安、という漠然としたモヤに包まれて、「老い」のはっきりした形がまるで見えてこない、今の時代。先例のない超高齢化社会とも言われる、21世紀の日本。つかむべきワラは本当にないのだろうか?
 江戸時代イコール「人生50年」「リアル姥捨て山?」のイメージで本書を開いたが、早くも8頁目にして驚くべき事実を知らされる。
「飛騨国の寺院過去帳の分析によれば、江戸時代後期の21歳以上の平均死亡年齢は、男性61.4歳、女性60.3歳で、51歳以上の人びとの享年は70歳を超えている(中略)現代の平均寿命である80歳を超えて生き延びる者も、稀少とはいえない人数が存在している。(中略)高齢化社会は現代日本にはじめて生まれた人口現象ではないのである」
 不安定な幼少期をなんとか乗り切れば、寿命は今とたいして変わらないじゃないか!そして、今と大きく違うのは、長生きは「長寿」で、不安ではなく、寿ぐべき幸せだった点である。
 高齢藩士の褒賞制度が、多くの藩で実施されていたという。「隠居まで65年勤務」「82歳の高年で出精勤務」「心がけよく老年まで数十年武芸出精」等の記録がずらりと並ぶ。
名裁きで有名な、大岡越前守忠相は、古稀をすぎてから大出世をとげた。
 農民、町人も同様に褒賞を受けた。
「本所松井町2丁目長左衛門店三之丞(当104歳)、長寿につき米10俵、倅庄兵衛55歳・同妻そよ37歳、孝心の褒美として鳥目10貫文、庄兵衛地主八幡別当放生寺が老父一代のあいだ地代免除」
「本郷菊坂台町良助店久次郎・同妻きん方同居善悦(102歳)、まれなる長寿につき手当として米10俵、身寄りがなく家を焼失した善悦を引き取り世話。奇特で銀5枚」
 高齢者および介護者の褒賞は、領民の秩序の維持、身分制度の安定に有利だったという権力者の都合は確かにあったのだろう。だが、ひとつひとつの記録を目で追うと、なんとも温かい気分につつまれる。老いを支える家族、近所に加えて、介護の担い手をも、やさしく見守るぬくもりが生きていた時代だった。
 身分問わず「家長」が責任を自覚し、自ら介護を担っていた点にも注目だ。武士の子弟教育において、老親や祖父母の老いと看取りは重要な課題だったという。「看病断(かんびょうことわり)」という、今でいう「介護休暇制度」も整っていたとは驚きだ!その教えは、精神面、食事、住まいへの配慮を説き、かなり具体的な内容。今でいえば、小中学生の授業カリキュラムに「介護」を組み込み、実習(介護食調理や排せつ介助含む)を義務づけるようなものだろうか。
 幕末期には大都市や城下町、宿場町で困窮による老人の自殺が相次いだ、という悲しい事情もあったというが、おおむね理想的な老いと看取りがなされていた江戸時代。立ち止まって、学ばなければならないことは多い。

(ビーケーワン投稿 2011.12.12 1211字)


投稿後、この書評を見たら、「うわ、読みにくい…」。
「一行あけ」をしないで、みっちり書くと、読みにくいですねえ、横書きは。
久々の投稿で書き方を忘れちゃってました

この本と併行して、大岡敏昭『江戸時代 日本の家』(相模書房・2011.10)も読みました。
家の作りが変化したことも、高齢社会問題とかかわっているようです。
江戸時代の住宅は、すごくおおざっぱにいうと、ザ・オープン。
玄関の戸もお隣との仕切りも、あってないようなもの。
かたや、今の住宅、団地やマンションは非・オープン。
困っているお年寄りや介護にお疲れの方がいても、周りはわからないことが多い。
ここに、こんな助けを求めているお年寄りや介護の方がいます~ってオープンになれば、立ち止まって手助けする人はたくさんいるのでは。そのへん、日本人はまだまだすてたもんじゃないと思います。
でも、知りようがない……。そこが問題かと。難しいですねえ。

先例のない高齢化社会→だからどうしようもない、ではなく、歴史から何かをつかみたいもの。
せっかく、こんなにたくさん、歴史の本があるのだもの。知ることができるのだもの。まあ、具体的に何を?ってコトになると難しいのですが。
とにかく読み続けて、求め続けて行くしかない、な…。




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Comment

 

いつも、ありがとうございます~!

お茶屋さん、あけましておめでとうございます。
そして、新年早々のコメント、どうもありがとうございます!

>書物っていう知恵の宝庫みたいなものもあるし

わあ、ステキなお言葉♪ホントに、際限がない「宝庫」ですよね、書物は。
「江戸に学ぶべき…」なんてお気楽に終らず、もう少し先まで考えられるような知恵を得たいです…。
そんな書評を書けるように、今年も貪欲に本を読んで、知恵ゲットに励みたいと思います!

お茶屋さん、また、遊びに来てくださいませ!

名前:導在 あわい | 2012.01.04(水) 16:54 | URL | [Edit]

 

あけましておめでとうございます。

導在あわいさん、今年もちょくちょく覗かせていただきます。
江戸時代にタイムスリップしたいとは思いませんが、学ぶべきところはたくさんあるのですね~。書評を拝読して、読んでみたいと思いました。実は、既に読んだ気になって、吹聴したい気分でいますが。
確かに先例のない高齢化社会ですが、知恵のある人はたくさんいらっしゃるでしょうし、書物っていう知恵の宝庫みたいなものもあるし。どんな知恵が出てくるか、長生きして見届けたいものです(人任せ~;;;;)。

名前:お茶屋 | 2012.01.02(月) 12:04 | URL | [Edit]


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導在 あわい

Author:導在 あわい
ドーザイ アワイ と申します。
ワケあって時間がたっぷり。いつかは読みたいと願っていた名作の数々…いますぐ、読むことにしました!
名作以外もどしどし読む予定。
楽しい読書録を目指します。

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当時のハンドルネームは*辰巳屋カルダモン*です。
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書評の鉄人*に選ばれました。
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* 第297回 書評の鉄人列伝 で紹介されました(2011.09.30付)。

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