FC2ブログ

 

名作文学いらっしゃいまし
日本の名作文学を楽しむブログです。                                                                                                                                    お江戸本と美術本のレビューも増殖中。
http://willowsgreen.blog.fc2.com/

 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
赤瀬川原平・山下裕二『オトナの社会科見学』(中公文庫・2011.07)

赤瀬川原平さんといえば「トマソン」とか「新解さん」「老人力」ですよね。
常にヒトとは違うモノの見方をする方、というイメージです。
もちろん、本書でもその実力を発揮なさっていますが、意外にも?明学大教授の山下さんもかなり過激。
こんなこと言ってしまって大丈夫なのだろうか、と心配になりましたよ。
そんなふたりの、社会科見学という名の、珍道中記?です。

以下、ビーケーワンに投稿した書評です。


 オトナによる、オトナのための、知的ながらもちょっぴり脱力系な?日本美術案内だ。
もと前衛芸術家で、作家ながら古美術に関しては「思春期」の赤瀬川原平氏と、大学教授で日本美術史が専門の山下裕二氏。
ふたりの「日本美術術応援団」は結成15年になるそうで、本書は4冊目の対談集とのこと。
今回は建築鑑賞がメインである。訪れるのは国会議事堂、東京国立博物館、聖徳記念絵画館、増上寺、鎌倉、長崎、奈良など。

 「社会科見学」とタイトルにあるだけに、美術鑑賞をしつつも政治や経済、歴史など社会的な部分にも話は及ぶ。
お揃いのスーツで社会人の「コスプレ」をしたり、鉱物模型の価格をカメラに換算して8ライカと表現したり、絵画館の日本画、洋画を紅白歌合戦に例えたりと、いいオトナらしくない?遊びと発見の連続である。

 ふたりとも目のつけどころが尋常ではない。
国宝だから、名品だからと、素直に感動することは、決して、ない。
自分だけのゆるぎない鑑賞基準がきちんとあって、心の琴線に触れてこないものは冷たくあしらわれる。
法隆寺ではわざとコースから外れた西円堂へ行き、街の雨どいの透かし彫りを誉め、鎌倉では小川のブロック塀の隙間に生えた花を愛でる。かなりの「へそ曲がり」だ。

 作品解説の漢字熟語は理解不能、英語版の方がまだわかるという意見にうなずき、写真もテレビもない時代に予備知識なしに大仏のスケール感を味わってみたかった、との望みにはしみじみ共感した。

 山 下  あとは、モネ。
 赤瀬川  港の海の色がモネしてましたね。(中略)
 山 下  時間にもよるんですね。モネになる時間がある。
 赤瀬川  モネタイム。
(長崎「茂木漁港はモネの絵だ」より。180頁)

 息もぴったりの会話!お互いの価値観を尊重し信頼していればこそ、だろう。
へそ曲がりのオトナは、信用できる。ちょっとカッコイイのだった。

(ビーケーワン投稿 2011.09.20 799字)


この春、江戸東京博物館で開催された「五百羅漢展」はこのふたりのトークがもとになったんですね!すごい影響力だ!恐るべし日本美術応援団!(南伸坊さんも団員だそうです)
個人的には聖徳記念絵画館と京都の石峰寺に行ってみたくなりました。
赤瀬川さんの枯れたオトナぶりがとってもいい感じです。こういうオトナになりたい。

この本で日本美術応援団が訪れた「東京国立博物館」鑑賞記を近々アップする予定です。
よろしく~!




スポンサーサイト
 
 

Comment


非公開コメント

ただいま更新を休止しております。
ご用の方はこちらまでどうぞ。
お名前と件名を明記くださいますようお願いいたします。

名前:
メール:
件名:
本文:

10 | 2018/11 | 12
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

導在 あわい

Author:導在 あわい
ドーザイ アワイ と申します。
ワケあって時間がたっぷり。いつかは読みたいと願っていた名作の数々…いますぐ、読むことにしました!
名作以外もどしどし読む予定。
楽しい読書録を目指します。

日本の名作 (20)
古典 (3)
明治の名作 (5)
大正の名作 (3)
昭和の名作 (8)
平成の名作 (1)
一般書 (40)
美術 (10)
歴史 (19)
文章修業 (2)
名作のほとり (3)
そのほか (6)
文学の旅 (2)
博物館&美術館 (7)
栞を挟んだら*読書小話 (20)
日本の名作 リスト (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)


TRCブックポータルに書評を投稿しています(2013.01~)。
ハンドルネームは*導在あわい*です。
「TRCブックポータル」は2016.03をもって運営終了されました。

******************************



また、2012.12までの書評は書籍と電子書籍のハイブリッド書店【honto】(旧;オンライン書店ビーケーワン)でも閲覧可能です。
当時のハンドルネームは*辰巳屋カルダモン*です。
     ******************************

tetu_bn_232.jpg
書評の鉄人*に選ばれました。
bk1-00232(2011.08.19付)
* 第297回 書評の鉄人列伝 で紹介されました(2011.09.30付)。

自分なりのルールを考えました。
こちらをご覧ください!


このブログをリンクに追加する

 
*Template By-MoMo.ka* Copyright © 2018 名作文学いらっしゃいまし, all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。