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名作文学いらっしゃいまし
日本の名作文学を楽しむブログです。                                                                                                                                    お江戸本と美術本のレビューも増殖中。
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菊地ひと美『お江戸の結婚』(三省堂・2011.07)

またまた「江戸」モノです。常に何かしら新刊が出ていますね、人気の「江戸」モノ。

時代劇を見ていると、どんなボロい長屋に住んでいる貧乏娘でも、結婚するとなると金屏風の前で白無垢を着て三々九度、そして「たかさごや~」のシーンがお約束ですが、やっぱりそんなことはありえない、と教えてくれる本です。(アタリマエか…)

以下、ビーケーワンに投稿した書評です。 


 著者は「衣装デザイナーを経て日本画家、江戸衣装と暮らし研究家」とのこと。随所に織り込まれたイラストもすべて著者の手になるもので彩りを添える。

 江戸時代の結婚は個人の結びつきではなく「家の存続」が目的だった。身分が上がるほどに、その縛りはきつくなって自由度は奪われる。

 「身分を下に落としたくない」という意識が結婚に大きく作用したのではないか、と著者は指摘する。一度転落したら回復のチャンスはまずなく親類縁者一同にまで影響が及んだ。武士は3代養子が続くと家禄がどんどん削られて上級武士も長屋住まいに転落したという。農民は自立できる中農層を、商人や庶民も一定の収入が確保できる生活の維持を目指した。その手段としての結婚だったのだ。
属する階層によって、また都市か農村かによっても大きく結婚事情は異なった、という。

 お江戸の結婚を物語る、エピソードの数々が興味深い。
さっと通り過ぎるだけの一瞬のお見合いや農村の年頃の男女が交流する「若者組」と「娘組」の存在など。
離婚を望む女性の頼みの綱、駆け込み寺に入るにも多額の資金が必要で(!)裕福でなければ無理だったというのは、ちょっと悲しい話だ。

 江戸時代は結婚できる方がまれだった。華やかな祝言は一部の富裕層のものだ。
格差社会の結婚事情が現代日本と江戸時代とで共通する、との著者の指摘は鋭い。以前の日本は、中流意識が強く、就職=正社員で収入は右肩上がりが約束された。しかし、そんな時代は過ぎ去り「したくても結婚しにくい」状況が現代とそっくりであるというのだ。

 永続的なエコ社会であった江戸時代。エネルギーの使い方やリサイクルを徹底した生活姿勢など、現代日本は学ぶべき点がたくさんあると思う。
しかし、こと結婚に関しても、また江戸時代が参考になるとは意外だった。どう、江戸時代から学ぶか?著者のアドバイスをぜひ読んでみて欲しい。

(2011.08.13 ビーケーワン投稿 796字)



イラストメインの軽めの江戸本かと思ったら、シリアスな結末にびっくりでした。

それにしても、今の時代、相手を探すのは至難の業ですね。
江戸時代以上の厳しさではないでしょうか?
身分によりはっきり制限されていた江戸時代と、目には見えねども学歴や収入による序列が確かに存在している現代と…。
どちらがよいとも言えませんが、まったくのフリーで結婚相手を探せという今の状況は酷すぎる!むしろ、見つからなくて当然かと。
法律で、町内にひとり「お世話焼きおばさま」の設置を義務付ける、とかどうでしょう?




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導在 あわい

Author:導在 あわい
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