FC2ブログ

 

名作文学いらっしゃいまし
日本の名作文学を楽しむブログです。                                                                                                                                    お江戸本と美術本のレビューも増殖中。
http://willowsgreen.blog.fc2.com/

 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
武者小路実篤『愛と死』(新潮社・1952.09・初出1939)

豊﨑由美『ニッポンの書評』(光文社・2011.04)を読みました。
ほかにも、ご指摘を受けたり、文献をあたって調べてみたりしたところ、自分が書評のルールをろくに知らずにビーケーワンに投稿し、またブログ記事にしていたことが判明…。恥ずかしい…。
事前に、自分なりに確認したつもりではあったのですが、いかにも甘かった…。
おおいに反省しています。

この『愛と死』の書評も、削除してこの世からなかったことにしたい…。
ですが、自戒のために残すことにします。

以下、ビーケーワンに投稿してしまった書評です…。ごめんなさいっ!


 さて、ムシャコウジサネアツである。名前からして、かまえる。文豪だ。だが、この小説はいわゆる恋愛小説。とっても、スウィート。その落差に愕然だ。

 作家の主人公、村岡が21年前の悲恋を回想する形で進行する。敬愛する先輩作家の妹、夏子は人前で宙返りをするような快活な娘だ。美しく成長した彼女に魅かれる村岡。

 前半は、出会いから、結婚の約束をするまで。その過程が丹念にというよりは、のんびりゆったりと描かれる。恵まれた家庭に育ったふたりには、恋愛につきものの障害はなにもない。拍子抜けするほど順調に進む。
 
 後半は、ふたりの手紙のやりとりが中心となる。見聞を広めるため、という気楽な理由で、村岡はパリの叔父のもとへ旅立つ。遠距離恋愛に突入だ。初めて障害を得た恋愛は一気に盛り上がる。お互いの欠点は見えなくなり、理想化される。

 「私本当に神妙なの。(中略)快活泥棒が私のハートと一緒に巴里に持って逃げていっているのですもの。私の大事な大事なあなた。あなたのおまえより」(67頁)
 「巴里にながくいる人は日本に帰りたいと言う人は殆んどない。しかし僕は帰りたくって帰りたくって仕方がないのだ。その理由を知っているものは手をあげなさい。愛する、愛する夏子」(70頁)

 ふたりのやりとりのスウィートぶりにしばしば脱力・・・。船が港に停泊するごとにきちんと手紙が届く、当時の郵便事情の確かさには感心至極だが。夏子が、やたらと体が丈夫なことを誇示するので、なんとなく先が読めてしまう。

 そして、タイトル通り、死がふたりをわかつときがやってくる。あまりにも、唐突に。普通に悲しみ、普通に立ち直る村岡。

 あらゆる物事には、光と影の両面があるだろう。恋愛であれば、なおさらだ。この小説は光のみで陰がなく、何か足りないような居心地悪さを感じる。ひたすら美しい思い出物語は共感しにくい。
 
 見方を変えると、こんな批評のたぐいは一切受け付けない、率直さがあると言える。陰はいらない、光のみを描くのだ、という潔い決心が貫かれてブレがない。その点では、突き抜けた感さえある。

 54歳でこの小説を書いた実篤の感性には素直に感服する。長年、読み継がれてきた名作と呼ばれる文学作品の、懐の深さを知った。

(2011.06.07 ビーケーワン投稿 949字)


冒頭にあげた著書でトヨザキ氏は「ブログやオンライン書店のレビューなど、匿名で行う書評は読者を原書に向かわせる後押しをすべきでしょう。どうしても批判したかったら実名で正々堂々としたらどうですか」といった内容を述べておられます。(引用ではなく、要約しています)

まったくその通りだと、思いました。
(批判する場はあるのかどうか、わかりませんが…)

上記の書評は…どう考えても「後押し」していない。
自分が言いたいことしか頭になくて、必要以上に面白可笑しく書こうとしすぎています。
それは、自分の頭の中だけにとどめおくべき、ただの感想にすぎない。
無責任に人目にふれる場所に出すようなモノではなかったのです。
読者に対しても、著者に対しても失礼な行為でした。
すでに発表してしまった中にも、そんなのがたくさん…。

書評は「この本、読んでみようか」と考えている読者のためのもの、というトヨザキ氏のご意見に賛成です。
「わたし、こんな気の利いたことが書けますよ」「こんなに知識豊富なんですよ」と自分をひけらかす場ではない。アマチュアとて、そうしたルールを心せねばならぬことを思い知りました。

いつのまにか『ニッポンの書評』の書評?になってますね…。
サネアツさん、本当にごめんなさい。

こんなにややこしいなら書評なんてやめよう、とは思いません。
とても、楽しいので。
反省して、対策を考えて、方針を決めてから、また再開します。




スポンサーサイト
 
 

Comment


非公開コメント

ただいま更新を休止しております。
ご用の方はこちらまでどうぞ。
お名前と件名を明記くださいますようお願いいたします。

名前:
メール:
件名:
本文:

08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

導在 あわい

Author:導在 あわい
ドーザイ アワイ と申します。
ワケあって時間がたっぷり。いつかは読みたいと願っていた名作の数々…いますぐ、読むことにしました!
名作以外もどしどし読む予定。
楽しい読書録を目指します。

日本の名作 (20)
古典 (3)
明治の名作 (5)
大正の名作 (3)
昭和の名作 (8)
平成の名作 (1)
一般書 (40)
美術 (10)
歴史 (19)
文章修業 (2)
名作のほとり (3)
そのほか (6)
文学の旅 (2)
博物館&美術館 (7)
栞を挟んだら*読書小話 (20)
日本の名作 リスト (0)
はじめまして (3)
未分類 (0)


TRCブックポータルに書評を投稿しています(2013.01~)。
ハンドルネームは*導在あわい*です。
「TRCブックポータル」は2016.03をもって運営終了されました。

******************************



また、2012.12までの書評は書籍と電子書籍のハイブリッド書店【honto】(旧;オンライン書店ビーケーワン)でも閲覧可能です。
当時のハンドルネームは*辰巳屋カルダモン*です。
     ******************************

tetu_bn_232.jpg
書評の鉄人*に選ばれました。
bk1-00232(2011.08.19付)
* 第297回 書評の鉄人列伝 で紹介されました(2011.09.30付)。

自分なりのルールを考えました。
こちらをご覧ください!


このブログをリンクに追加する

 
*Template By-MoMo.ka* Copyright © 2018 名作文学いらっしゃいまし, all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。