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名作文学いらっしゃいまし
日本の名作文学を楽しむブログです。                                                                                                                                    お江戸本と美術本のレビューも増殖中。
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岸本葉子『エッセイ脳 800字から始まる文章読本』(中央公論新社・2010.04)

ブログや書評でスッキリした短文を書くために参考になるかな、と読んでみました。
著者のエッセイもいくつか楽しめてオトクな本です。
大学の通信教育部の授業記録を書籍化したということで、とてもわかりやすい。

以下、ビーケーワンに投稿した書評です。


 エッセイスト――なんとも知的でおしゃれな響き。ありふれた日常をユーモアとウィットでくるみ、さらりと短文で読ませるエッセイストの身体〈脳〉力。そのヒミツは何か?
文章の書き方指南書はたくさんあるが、エッセイに特化したものは珍しいだろう。

 まずは小説や評論など、他のジャンルとの違いを引き合いにエッセイの特質が語られる。テーマと題材の違いや、エッセイ流の「起承転結」については「えっ!」と驚くポイントがあった。
そして後半からは、いよいよ細かいテクニックが明かされる。
いずれも著者のエッセイを引用して、わかりやすく丁寧に説明されている。 

 一貫して語られるのは「自分≠他者であることを常に意識し、読み手への配慮を欠かさない」ことだ。自分が書きたいことだけをただ垂れ流す「筆に随うはエッセイにあらず」と戒めている。

 後半に出てくるテクニックは、かなり具体的。エッセイ以外の文章作成にも大いに役立ちそうだ。

 その一方で、あらためて思う。「他者の目にできる限り近づく」ためには、多くの人と出会い、会話し、さまざまな考え方に触れる努力が求められる。そして得たものをどれだけ自分のなかに取り込めるかどうか。結局、近道はない。
「そうそう、大変なことなのだから、あきらめた方がいいですよ」と言われているような気さえしてくる。

 しかし、著者は明かしてくれている!
文末に「かしら」を多用していた、「 」や( )等の記号を少々使いすぎていた、いかめしい表現によるパロディ化を調子に乗ってし過ぎてしまう傾向がかつてはあった、ことを。
キャリア20年、手練れの著者でさえ、過去を振り返ればそういう思いがあるのだ。
いわんや、凡人をや!励まされたようで元気が出た。

 気分よく読み終えて『エッセイ脳』というタイトルのうまさを感じる。本書自体が完成された、素敵なエッセイだ。

(2011.07.02 ビーケーワン投稿 786字)


「文章読本」が文章の書き方指南書のことだと初めて知りました……。
このテの本がたっくさん!あることも初めて知りました。
この本がけっこうよかったので、ほかの「文章読本」も読んでみようかな?




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導在 あわい

Author:導在 あわい
ドーザイ アワイ と申します。
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